2016/07/30

幻想と怪奇の英文学II:増殖進化編

 
昨年8月末に「プランC」の原稿を提出したものが、ようやく出版されました。amazonに出ておりますので、こちらからどうぞ!
 
イギリス文学の中でも、幻想/怪奇文学系のジャンルを取り上げ、
「テクノロジー(orサイエンスor機械)」「ヴィジョン(orファンタスマゴリア)」「子供」「動物」「変身」「幽霊」「民話」「災疫(or災害)」「魔法(or錬金術)」「西洋怪奇or幻想のジャパネスク」
 
というくくりの中で、各先生方が論考を寄せていらっしゃいます。
 
私は上記の中から「子供」というテーマで書きました。
 
扱われる時代もテーマも幅広い論集になっております。
 
 
当初、6月中発売の予定でしたが、結果的に7月31日発行と相成りました。送料節減のため、大部分の方には手渡しで献本する予定でしたが、夏休みに入ってしまったので、直接お渡しする予定であった方々には秋学期までお待ち戴くことになります・・・。9月に差し上げますので購入しないでおいて下さいねという連絡を色々な人にしています・・・。
 
昨日の午後までは表紙デザインが不明で、夕刻になって公開されたのですが、「幻想と怪奇」のタイトル通り怪奇的な、暗くて怖い雰囲気の装丁でした。表紙に使われている版画は谷中安規(たになかやすのり 1897-1946)氏の作品だそうです。谷中氏の死因は栄養失調とのことで、おそらく戦中戦後の食糧難で命を落とされたのでしょう。
幻想的、独創的且つ怪奇的な版画作品で知られるようで、展覧会なども開催されているようです。電子辞書に入っている百科マイペディアにも載っていました。


今回の執筆にあたっては、編者の先生方、春風社編集部、学部・院時代の指導教授に大変お世話になりました。ご多忙の折ありがとうございました。

2016/07/27

夏季休業

前回更新後、負傷するなどした上に授業準備、課題添削、小テスト作成、期末試験作成、期末試験採点、学期末成績評価等に追われてブログ記事執筆どころではなくなっていましたが、先週金曜日より夏休みとなりました。海の日から木曜日まで9コマ連続で期末試験で、採点は土曜日までに終え、土曜日の夜に成績評価を終えました。

非常勤教員は夏休みの業務はありませんから、ここが研究上の頑張りどころです。とはいえ、何かの原稿締切を抱えているわけでもなし、学会発表の予定もなし、一体何をどうしようか戸惑ってしまいます(苦笑)。

さしあたり、おととし大学図書館に購入して頂いた、Bevis of Hamptonという中世ヨーロッパ文学作品のアングロノルマン語版の現代英語訳を読みました。中世の英語版と物語の大筋は変わらないものでした。もうちょっと大きな違いがあって欲しかったというぐらいです。
この物語では、アングロノルマン語版でも英語版でも主人公の愛馬アランデルが印象的です。父を殺され故郷を追われた主人公Bevisが後にイングランドに戻ってきても、父の仇討ちは果たしたものの、イングランド王子がアランデルを欲しがったためにアランデルが王子を蹴り殺してしまったことで、Bevisはイングランドには居られなくなります。Bevisの大切な馬で、当然主人公を支えてくれる存在ですし、王子が馬をこっそり盗もうとしたのだから、馬が王子を攻撃するのも仕方ない面はありますが、馬はBevisが生まれ故郷に居付けない一因ともなってしまうのです。
アングロノルマン語版では馬→Bevisの妻→Bevis本人と連続で死去して話が終わっていました。

続いて、これも大学図書館に購入して頂いた『フローリスとブランチフルール』という中世ヨーロッパ文学作品のスペイン語版 通称「クロニクル版」の校訂版の序論を読みました。
本文は残念ながら中世スペイン語の作品のままで、英訳はおろか現代西語訳さえ付いていません(付いていても読めませんが・・・)ので、さしあたり序論だけ読んだのですが、ビザンチンのロマンスとのつながりや、史実との混交など、なかなか興味深いバージョンであるようです。

序論を読み終わり、参考文献表をチェックしたところで、中世スペイン語の作品本文が始まってしまったので(笑)、文字通り置いておいて、今度は昨春急逝されたウィリアム・スネル教授の研究室より頂いてきた本を読もうかと思います。無料でハードカバーの洋書を入手できたわけですから、有り難く使わせて頂きます。