2015/11/20

Floris and Blancheflourクロニクル版

またしても図書館に買っていただきました。(昨年から数えて3冊目です)

 
王子FlorisとヒロインBlancheflourの物語は中世ヨーロッパにおいて英語、フランス語など様々な言語のバージョンで翻案されていましたが、中には「クロニクル版」と呼ばれるスペイン語の翻案もあって、二人の物語が歴史叙述に組み込まれているという点で非常に興味深いバージョンです。
 

そのクロニクル版の校訂版がアリゾナ大学から出ていたので、図書館に購入して頂きました。以前買っていただいたBevis of Hamptonアングロノルマン語版英訳もアリゾナ大のものでした。ACMRSというセンターがあるのです。ウェブサイトはこちらです。


残念なことに、この本は対訳版ではなかったので、テクストは原典(=中世のスペイン語)のみです。
当然読めないのですが、眺めてみると、アラビア語等とは違って、一切合財分からないというわけではないのが却ってもどかしい気持ちです。このテクストの英訳が作られて欲しいですね。ただ、見た感じ、現代スペイン語が分かる人なら何となく読めてしまうのではないか、という気もします。あくまで印象ですが。学生時代、第二外国語のシラバスに、イタリア語ならば1年勉強すれば『神曲』の香りぐらいは嗅げると書いてありましたが、スペイン語もそのような感じなのでしょうか。


さて、クロニクル版では物語がどのように歴史叙述に組み込まれているかと言いますと、FlorisとBlancheflourの二人がシャルルマーニュの祖父母というつながりがまず一つあります。また、異教の王子とキリスト教徒の女性の婚姻という結果になることから、スペインのキリスト教化という枠組みも在ります。クロニクル版についてはPatricia Grieve著Floire and Blancheflor and the European Romance (CUP, 1997)に沢山論じられていますのでそちらをご参照下さい。

テクストはまあ措くとして(とはいえ是非読みたい内容なのですが・・・)さしあたり序論(英語)を読んでみています。