2012/03/17

MS context

来年度から勤め始める大学から、各自の口座の情報を送る書類が来ました。・・・どうやら、給与額は振り込まれてみてのお楽しみ☆なんでしょうか?厳密に言えば、交通費が支給されるのかどうかも知らされていません(さすがにあるとは思うのですが・・・)

さて、春休みは読書に費やしています。これだけ時間があるのだから、当然、更なる研究或いは来年度の授業準備でもした方が良いのでしょうが、博士論文を提出したということでこの春休みばかりは自由に使わせて頂きます。

そう、暇が出来れば出来るほど研究(=仕事)が出来る(=完全オフにはできない)というのがこの職業の辛いところです。休日はオフで充電してまた平日頑張る、ということはできず、休日こそ働かねばならないという。


前置きがとても長くなりましたが、今日のお題はmanuscript contextです。

中世から今に遺る写本には、いろいろな作品等をまとめて一冊にしたものが非常に多くあります。そういう場合に、当時本を作った人がどういう基準でそれらの作品を一冊にしようと思ったのか、というのが興味深いポイントとなります。

現代であれば本の中身をぐちゃぐちゃにバラして別々の製本にしてしまう、等ということは保存上普通はないと思いますが、例えば何世紀か昔の収集家などであれば、そういうことはありえます。その為、まず今ある写本がいつそのように一冊にまとまったのかというのが重要です。普通に後の時代の人がまとめてしまったのか、当時からその状態なのか。

当時からその状態だった場合でも、もしかして「その辺にあったやつを適当にまとめた」のかもしれませんし、逆に「キリスト教モラルを学べる作品集にしよう」など明確な意図があったかもしれません。仮に後者の場合でも、現代と違ってその本全体のタイトルが書いてあるわけでもないので、100%確実な証拠があるわけではなく、内容から推測できるに過ぎません。

それでも、何か作品を見る際には、研究テーマに関わらず、現存写本の情報は必ずチェックするようにしています。この作品はほかにどのような物と一緒にまとめて本になっていたのだろう、ということは必ず気にするようになりました。
もし中世当時にまとめられた形で残っていて、且つ、いわば編集方針のようなものが垣間見られるケースでは、例えば騎士が出てくるような物語文学が教訓を学ぶような文脈で捉えられ読まれたのかもしれない、などの興味深い事例が見つかることがあります。

ロマンス(中世物語文学)の場合には、取り敢えずGisela Guddat-FiggeのCatalogue of Manuscripts Containing Middle English Romancesを調べます。ちょっとコピーしてきたのですが、その中にHavelok the DaneKing Hornが聖人伝と誤解されたのかも、という面白い指摘を見つけました。ホーン王子がなぜ?(笑)この2作品はTEAMSのエディションで博士課程の頃読みましたが、現代のエディションでも一冊に入っている訳ですね。この場合のつながりは「イングランド」になりますが。そうなんです、現在の本でもそれは面白いポイントで、・・・(長くなるので、次回に続く

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