2012/03/31

今年度を振り返って

もう明日は新年度です!新年度には、文学部4コマ、商学部2コマ、文芸学部3コマで英語を教えます。私は一応商学部の教員なんですけど、商学部が一番少ない・・・。
勤務は週4日になります。

今年度を振り返ると、何だかマスキュリンな一年でした(意味不明)。教えてる学生は大半が男子でしたし、大学院では英文学専攻の新入生が全員男子(これは珍しい!)。英文学専攻は米文学や言語学と比べて圧倒的に女性が多く、大学院は半ば女子校のようだったので、余計変化を感じるのかもしれません。

それはともかく今年度のメインはもちろん博士論文だったのですが、留学など様々な経験を経た現在、一歩引いて構えることができ、心身ともボロボロ・・・にはならずに済みました。終わっても燃え尽きていないのが何よりの証拠です。第一、精神的には災害が一番の負担だったので、博士論文が悩み等に占める位置が相対的に下がったというのもあるかもしれません。

春休みはホーキング父娘の最新作、パストン・レターズ、昨年の中世学会東支部で紹介してもらったMedieval Cats、あとはロンドンで買ってきた観光名所のガイドブック英語版をひたすら読みました(ケンジントン宮殿はじめ10冊)。セント・ポール大聖堂などは元大英図書館のミッシェル・ブラウン著で、研究書並みの文章になっていました。

春休みもあと10日ほど。いつか、本を返しに行かないと。

2012/03/25

新しい研究テーマ

いまだに悩んでます。

昨日は中世ラテン語読書会(出席者7名)に出ました。出席者は全員同じ学会に所属している/いた方。昨年のこの会で初めてお会いした先生も、今年のこの会で初めてお会いした先生も、私のことをご存知でした。一回研究発表をするだけでこんなに有名人になれるのか~(笑)。同業者とのコミュニケーションは2月7日以来!東京に来るのも2月24日以来でした。久々に永福行ったらむちゃ遠く感じました。

本題に戻ると、博士論文が通るかどうかもわからないのですが、それでも、D論以後のテーマを考えてます・・・が、大きなプロジェクトを一旦完了したところゆえに「・・・さて、どうしよう」という状態で、結局何か思いついても超ありきたりなテーマ。

「聖人伝とロマンス」に立ち返ったりして(笑)

うーん。
例えばYwain and GawainのLunette像が興味深いと思ったんですが、中世ロマンス的にtypicalな描かれ方をしてない女性であることなんて誰もが気付くでしょうし、とっくに研究され尽くしてそうです。Medieval women系のテーマも興味ありますが、これもありがちなトピック。ラテン語が現代英語並みに読めたなら、修道院系に行ってみたくもありますが―Patrologia Latinaを読みまくって研究するとか。ええとあとはHavelok the Daneの聖人伝性について、とか・・・となると「聖人伝とロマンス」というtypicalなテーマに行き着いてしまうし。Aucassin et NicoletteやChristene de Pisanとか・・・(それは仏文学)。

あっ、そうだ、当然能力的に原典にあたれないという根本的問題があるものの、ビザンチンのロマンスをやろうかしら。

そうそう、昨年大学院の授業で紹介したあれです。あのロマンスはラブラブな物語で楽しかったですね。ロンドンでもらった関連文献のコピーを数年たった今でも読まないまま放置しているので、読んでみようかなと思います。

2012/03/20

作品集の文脈

前回の続きです。

現代の本ではいろいろな文学作品をまとめて一冊にしたものがありますが、中世ヨーロッパの場合、作者不詳というケースも多いため、例えば「オスカー・ワイルド作品集」のような体裁をとるよりも、中世英国ロマンス集、とか韻文ロマンス集、といったように地域や言語・文体、テーマによってまとめた物が多くなります。

例えばミシガン大学のTEAMSは中世英語を特に学んでいなくても普通に学生が読めるようにという意図で読みやすい中世文学作品のエディションを色々出していますが、いくつかの作品をまとめた場合に「イングランドのロマンス」「センチメンタル&ユーモラスなロマンス」など全体の表題を見るとその本がどのような方針でまとめられたのかがわかります。
さらに現代の本は中世写本と違って編者も出版社も出版年も書いてあり、まえがきもしっかりあるので、どのような方針で編まれた本なのかよりはっきりとわかります。
どういう理由でこれらの作品を一冊に入れようと思ったのか、ということは現代の研究者がそれらの作品をどう捉えているのかということにもつながります。

一方、写本の内容をそのまま本にしたものもあり(ファクシミリ版は除き)、エクセター大学出版のPoems of the Pearl MSなどがその一例です。一冊の写本に入っていて、同一作者かもと考えられている四作品をそのまま活字化しています。これはこれで、手軽に写本一冊分を追うことができて、普通の本を読みながら写本の文脈を意識することができて良いです。

また、こんな本もあります


これは、中世に各国語バージョンで流布した物語のうち、ラテン語のものや古仏語のものなどいくつかのバージョンをまとめたスペイン語書籍です。
中世当時においても前回述べた写本の文脈において興味深い作品ですが、この本(2010年刊)の文脈自体も興味深いです。なぜ数あるバージョンの中からこれらを本書に入れようと考えたのか。本文が西語なのでその辺りは判りませんでした・・・

2012/03/17

MS context

来年度から勤め始める大学から、各自の口座の情報を送る書類が来ました。・・・どうやら、給与額は振り込まれてみてのお楽しみ☆なんでしょうか?厳密に言えば、交通費が支給されるのかどうかも知らされていません(さすがにあるとは思うのですが・・・)

さて、春休みは読書に費やしています。これだけ時間があるのだから、当然、更なる研究或いは来年度の授業準備でもした方が良いのでしょうが、博士論文を提出したということでこの春休みばかりは自由に使わせて頂きます。

そう、暇が出来れば出来るほど研究(=仕事)が出来る(=完全オフにはできない)というのがこの職業の辛いところです。休日はオフで充電してまた平日頑張る、ということはできず、休日こそ働かねばならないという。


前置きがとても長くなりましたが、今日のお題はmanuscript contextです。

中世から今に遺る写本には、いろいろな作品等をまとめて一冊にしたものが非常に多くあります。そういう場合に、当時本を作った人がどういう基準でそれらの作品を一冊にしようと思ったのか、というのが興味深いポイントとなります。

現代であれば本の中身をぐちゃぐちゃにバラして別々の製本にしてしまう、等ということは保存上普通はないと思いますが、例えば何世紀か昔の収集家などであれば、そういうことはありえます。その為、まず今ある写本がいつそのように一冊にまとまったのかというのが重要です。普通に後の時代の人がまとめてしまったのか、当時からその状態なのか。

当時からその状態だった場合でも、もしかして「その辺にあったやつを適当にまとめた」のかもしれませんし、逆に「キリスト教モラルを学べる作品集にしよう」など明確な意図があったかもしれません。仮に後者の場合でも、現代と違ってその本全体のタイトルが書いてあるわけでもないので、100%確実な証拠があるわけではなく、内容から推測できるに過ぎません。

それでも、何か作品を見る際には、研究テーマに関わらず、現存写本の情報は必ずチェックするようにしています。この作品はほかにどのような物と一緒にまとめて本になっていたのだろう、ということは必ず気にするようになりました。
もし中世当時にまとめられた形で残っていて、且つ、いわば編集方針のようなものが垣間見られるケースでは、例えば騎士が出てくるような物語文学が教訓を学ぶような文脈で捉えられ読まれたのかもしれない、などの興味深い事例が見つかることがあります。

ロマンス(中世物語文学)の場合には、取り敢えずGisela Guddat-FiggeのCatalogue of Manuscripts Containing Middle English Romancesを調べます。ちょっとコピーしてきたのですが、その中にHavelok the DaneKing Hornが聖人伝と誤解されたのかも、という面白い指摘を見つけました。ホーン王子がなぜ?(笑)この2作品はTEAMSのエディションで博士課程の頃読みましたが、現代のエディションでも一冊に入っている訳ですね。この場合のつながりは「イングランド」になりますが。そうなんです、現在の本でもそれは面白いポイントで、・・・(長くなるので、次回に続く

2012/03/13

就職の地域

あのう・・・もう授業開始まで1か月を切りましたが、来年度から教え始める大学の給料っていくらなんでしょう?給料がどうこうと言うのは良くないですけど、やっぱり気にはなるものですし・・・口座の情報とかもそろそろ必要ではないんですか?


さて、フルタイムの仕事を求める場合に話題になるのが勤務地。つまりどこまで首都圏定住(?)にこだわるか、ということです。
自分がどうしたいかということだけでなく、色々個々人或いは家庭の事情によっても左右されるところだと思いますが、私は自分自身の希望としても、家の事情としても、別に制約がないので、どこでもいいというのが実情です。

地元は好きです。人口は多いけれど大都市過ぎず、ほどよく都会で住みやすく、東京にも容易に行けます。地元に愛着はありますが、しかし絶対に離れたくないということではありません。今住んでいる場所は、生まれた市とは違うのですが、3歳からこの市に住んでいて、私にはここがふるさとですが、何と言うか、個人的なふるさとなんです。というのも、うちは家族全員生まれた県が違うからです。私だけの故郷という感じです(笑)

そういうこともあって、離れられないほどのattachmentはないので、勤務地にはこだわりません。首都圏の方が慣れてるのは当然ですけど、あまり住みたい場所でもないですしね・・・。それに、こだわっていられるほどの経済力はないですし、そういうことでいえば就職先を大学に限定している場合でもないという状況です。必要ならばアカデミックな世界から離れることも無いとはいえないでしょう。研究も何も、まず生活できなければならないんですから。

こんなわけだから、親が大学教授とかじゃないとこの道は厳しいと言う方もいて、まあ、その通りかもしれませんが、サラリーマン家庭だからダメってのもひどい話ですし。そうだ、学会発表の司会をして戴いた先生が「ここまできたら仕事はあるから」と仰っていたので、なんとか、探すことにします。

2012/03/08

5文型

来年度から教え始める大学では、5文型を教えて下さいと書いてあります。

5文型・・・懐かしいですね。学校で習ったかどうかすら忘れました!確実に習ったのは、市進学院においてです。
第一文型SVの例文が2語だったりすると脱力です。そりゃ二単語で主語、動詞だということぐらいいくらなんでもわかりますと当時思ったものでした。こんな文章はなかなか出題もされないわけで、かえって一番判別しやすいのはSVOOだったと思います。

よく、「5文型も分かっていない・・・」という先生方の嘆息が聞かれることからもわかるように、5文型は基礎的な文法とされていますが、では実際に英文を読む時にどう役立っているかと問われると困ります。実際に長文読解をして、「これは第○文型だ」と考える事があるでしょうか。

5文型の解説が書いてある書籍は手元にないですし、何かいいマテリアルを考えなければなりません。