2011/05/22

Brunetto Latini

という人の書いたLi Livres dou Trésorを調査するため、とりあえずまずは英訳のThe Book of the Treasureを調査中です。中世ヨーロッパの寓意的な著述に関して研究する目的なのですが、本作は古典や聖書の知識の宝庫であるようです。イタリア(フィレンツェ)人ですがフランス語で書かれています。

アリストテレスのニコマコス倫理学やキケロのDe Inventioneを入れ込んであるのも、ギリシア・ローマ古典の中世ヨーロッパにおける受容(ありがちなテーマですが・・・)という点からも面白いと思いました。色々と教訓になる著述を項目だててたっぷりと収録した中にそれらは含まれています。つまり、普通に一作品として訳して世に問うたのでもなく、原典のまま写本を筆写して普及させたのでもなく、古典作品を翻訳に近い形でまとめてそれを大枠の中に入れ込んだのです。英訳本においては1.・・・について、2.・・・について、3.・・・について、という感じで項目&それに関する文章のセットがものすごくたくさん列挙されています。これが原典、写本レベルでもこのようになっているのか、或いは翻訳の便宜上見出しを付けたものなのかという肝心な点を未確認ですけれども、ともかく内容自体はそのように多くの項目が並んでいるものです。

その中にニコ倫などを入れ込んであるということは、「とにかく色々とためになる内容集」のネタとしてアリストテレスやらキケロやらをピックアップしたということで、或る意味「使えるネタ」のソースという雰囲気で古典が捉えられたともいえるのでは、と考えました。異教世界にあたる彼らの著述もやはり権威あるものとして存在感があったのでしょうか。

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